【1858年から日英同盟まで】日本とイギリスの関係はどのように始まった?

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【1858年から日英同盟まで】日本とイギリスの関係はどのように始まった?
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日本とイギリスの交流は、正式な外交関係が成立する1858年よりも古い。1600年には英国人航海士ウィリアム・アダムス(三浦按針)がオランダ船で豊後に漂着しており、外務省の英国基礎データも、両国には400年以上の交流の歴史があると説明している。

1858年の日英修好通商条約と外交関係の成立

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近代的な日英関係の出発点となったのが、1858年8月26日に江戸幕府とイギリスとの間で調印された日英修好通商条約である。イギリス側の全権はインド総督エルギン伯爵が務めた。

この条約では、神奈川・長崎・箱館・兵庫・新潟の開港、江戸・大坂の開市、自由貿易などが規定された。一方、外国人に対する領事裁判権や、イギリス側に有利な関税制度も盛り込まれていた。

つまり、外交関係の成立は必ずしも対等な友好関係の始まりではなかった。幕末の日本にとって、欧米諸国との不平等条約の改正は、明治政府にも引き継がれる重要な外交課題だったのである。

外務省外交史料館には当時の条約書が重要文化財として保存されている。現在の対等な協力関係を理解するうえでは、両国関係が不平等な条約体制から出発したという歴史も欠かせない。

1902年の日英同盟成立と国際政治上の役割

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日英関係が大きく転換したのは1902年1月30日である。この日、日本とイギリスは第一次日英同盟協約に調印した。

当時のイギリスは東アジアにおけるロシアの影響力拡大を警戒し、日本はロシアとの対立を背景に国際的な後ろ盾を必要としていた。両国の安全保障上の利害が一致したことが、同盟成立の大きな理由だった。

日英同盟は1904~1905年の日露戦争や第一次世界大戦期の日本外交にも影響を与えた。日本にとっては国際的な地位を高める重要な外交基盤であり、イギリスにとっても東アジアの戦略環境を支える協力関係だった。

1923年の日英同盟終焉と第二次世界大戦

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【資料】日本 イギリス 関係 報道・メディア記録

しかし、日英同盟は永続しなかった。第一次世界大戦後の国際秩序の変化、アメリカとの関係、太平洋地域をめぐる外交上の利害などが重なり、1921~1922年のワシントン会議を経て、同盟の継続は見送られた。

1923年、日英同盟は失効した。その後、両国の関係は悪化し、第二次世界大戦では敵対する立場となる。

この歴史は、日英関係が常に友好的だったという単純な説明を否定する。国際環境や安全保障上の利害が変化すれば、長年の協力関係であっても大きく変わる可能性があることを示している。

戦後、両国は外交・経済関係を再構築し、貿易、投資、教育、文化交流を通じて関係を回復させた。現在の戦略的パートナーシップは、こうした歴史的な断絶と再建の積み重ねの上に成立している。

【2023~2026年】友好国から戦略的パートナーへ進展した決定的な出来事

現在の日英関係を理解するうえで、特に重要なのが2023年の広島アコードである。これは単なる友好関係の確認ではなく、防衛、経済、科学技術、国際秩序に関する協力を具体化する枠組みだった。

2023年の日英広島アコードが示した新しい方向性

2023年5月18日、広島で岸田文雄首相とリシ・スナク英国首相が日英広島アコードに合意した。

この合意では、欧州・大西洋地域とインド太平洋地域の安全保障は切り離せないという認識が共有された。防衛協力、経済安全保障、貿易・投資、科学技術、気候変動など、幅広い分野で連携を強化する方向が示された。

特に注目されたのは、次の分野である。

  • 自衛隊と英国軍の共同訓練や相互運用性の向上
  • 日英円滑化協定(RAA)の実施
  • 日英伊による次期戦闘機GCAPの推進
  • サイバーセキュリティーと宇宙分野の協力
  • 日英CEPAやCPTPPを活用した貿易・投資の促進
  • 重要物資や先端技術をめぐる経済安全保障協力

この段階で、日英関係は従来の外交・経済交流を維持しながら、安全保障と産業政策を結び付ける方向へ明確に進んだ。

2026年の日英首脳会談と外交日程

2026年には、首脳レベルの対話が複数回実施されている。特に1月、6月、8月の動きは、日英関係の継続性と政策の具体化を示している。

年月日関係者・出来事主な内容と意味
1858年8月26日日英修好通商条約正式な外交関係の成立
1902年1月30日第一次日英同盟安全保障上の同盟関係を構築
1923年日英同盟失効国際秩序の変化により同盟が終焉
2021年1月1日日英CEPA発効英国のEU離脱後の貿易・投資の枠組みを確立
2023年1月11日日英RAA署名自衛隊と英国軍の相互訪問・共同活動を促進
2023年5月18日日英広島アコードグローバルな戦略的パートナーシップを強化
2023年12月GCAPの政府間機関設立条約署名日英伊の共同開発体制を制度化
2024年12月15日英国のCPTPP加盟発効日本と英国の経済連携を太平洋地域へ拡大
2026年1月31日高市早苗首相・キア・スターマー首相会談日英戦略的サイバー・パートナーシップを発表
2026年6月14日高市首相・スターマー首相会談経済安全保障共同宣言と先端技術パートナーシップを発表
2026年8月20日高市首相・アンディ・バーナム首相の電話会談GCAP、安全保障、経済安全保障の協力継続を確認

2026年1月31日には、英国のスターマー首相が訪日し、高市首相と会談した。両首脳はGCAPやCPTPPを含む具体的な協力を確認し、日英戦略的サイバー・パートナーシップに関する共同発表を行った。

さらに6月14日には、高市首相が英国を訪問し、スターマー首相と会談。経済安全保障共同宣言と日英フロンティア技術パートナーシップの発表につながった。

8月20日には、高市首相がアンディ・バーナム英国首相と電話首脳会談を実施した。両首脳は欧州・大西洋地域とインド太平洋地域の安全保障の不可分性を確認し、GCAPや経済安全保障を含む協力を進めることで一致した。

このように、2026年の日英関係は特定の首脳同士の個人的な関係にとどまらず、政権の変化をまたいで継続する政策協力として展開している。

【日英安全保障協力】RAAとサイバー連携は何を変えるのか?

現在の日英関係を象徴するのが、防衛協力の実務化である。外交上の合意だけでは、実際の共同活動は進まない。部隊の訪問、訓練、物資の取り扱いなどを可能にする制度が必要になる。

日英円滑化協定(RAA)の役割

日英円滑化協定(Reciprocal Access Agreement、RAA)は、2023年1月11日に岸田首相とスナク首相が署名した。

同年9月15日には発効に必要な外交上の手続きが完了し、10月15日に発効した。

この協定は、日本の自衛隊と英国軍が相手国を訪問して共同活動を行う際の手続きや、訪問部隊の法的地位などを定めている。

具体的には、次のような活動を円滑に進めるための基盤となる。

  • 自衛隊と英国軍による共同訓練
  • 艦艇の寄港や部隊の相互訪問
  • 防衛装備品や関連物資の取り扱い
  • 共同活動に伴う行政・法的手続きの簡素化

2025年夏には英国の空母打撃群が日本を訪問し、同年秋には航空自衛隊の欧州・北米方面への活動にもRAAが適用された。2026年の外相級戦略対話でも、こうした活動を踏まえ、より大規模で複雑な共同訓練の推進が確認されている。

ただし、RAAは日英間に自動的な相互防衛義務を設ける条約ではない。NATO型の集団防衛体制や、日米安全保障条約と同じものとして理解するのは誤りである。

2026年の日英戦略的サイバー・パートナーシップ

2023年の広島アコードを基礎として、日英両国はサイバー分野の連携も進めてきた。2026年1月31日には、その協力を戦略的サイバー・パートナーシップへと引き上げた。

英国政府が公表した政策文書では、協力の柱を次の3分野に整理している。

  • サイバー脅威の検知・抑止・防御:脅威情報や分析の共有、サイバー防御能力の強化、国際的な取り組みの推進。
  • 社会全体のサイバー耐性向上:重要インフラの保護や官民連携を通じた被害への対応力の強化。
  • 成長とイノベーションの環境整備:サイバー技術の開発・導入や、技術標準、国際ルールをめぐる協力。

特に重要なのは、政府機関だけでなく、民間企業や重要インフラ事業者も協力対象になる点だ。

電力、通信、金融、交通、物流などは、サイバー攻撃によって社会全体に影響が及ぶ可能性がある。日本と英国が情報共有や防御技術で連携することは、両国の経済活動を守る意味も持つ。

2026年4月の外相級戦略対話では、重要な海底インフラに対する脅威など、サイバー領域と物理的な安全保障が交差する問題も取り上げられた。

広島アコードから経済安全保障までの一体化

2026年6月14日の経済安全保障共同宣言では、両国は重要鉱物、エネルギー、先端技術、投資審査、供給網の強靱化について協力を深める方針を示した。

特に重要鉱物では、採掘だけでなく精錬、加工、リサイクル、備蓄までを含む供給網の多角化を目指している。特定の国や地域への過度な依存を減らし、経済的な圧力によって供給が途絶えるリスクを抑える狙いがある。

この宣言には、洋上風力産業の金融・研究開発・供給網に関する協力も盛り込まれた。日英関係は防衛協力と経済活動を別々に扱う段階から、技術と産業基盤を通じて安全保障を支える段階へ進んでいる。

【GCAPとは?】日英伊の次期戦闘機共同開発が持つ意味

日英関係を語るうえで欠かせないのが、GCAP(Global Combat Air Programme)である。これは日本、イギリス、イタリアの3か国が共同で次世代戦闘機を開発する国際プロジェクトだ。

GCAPが始まった背景

GCAPは2022年12月に発表された。日本ではF-2戦闘機の後継機が必要となり、英国とイタリアも将来の航空戦力を担う次世代機の開発を求めていた。

日本の防衛省によると、次期戦闘機には将来の能力向上に対応できる改修の自由度や、国内の防衛産業・技術基盤を維持することが求められている。

単に新しい戦闘機を製造するだけではなく、将来の無人機やネットワーク技術との連携を含めた航空戦闘システムの構築が目標となっている。

GIGOとEdgewingによる共同開発体制

2023年12月14日には、GCAPを管理する政府間機関GIGO(GCAP International Government Organisation)の設立条約に日英伊3か国が署名した。

GIGOは政府間の協力を管理する組織であり、実際の開発を担う産業側の共同事業体制とは役割が異なる。

日本からは三菱重工業、IHI、三菱電機などが関係し、英国とイタリアの防衛産業も参加する。各国の技術力を組み合わせながら、開発費用や技術的リスクを分担する仕組みだ。

2026年のGCAP最新動向と2035年の目標

2026年7月3日、英国政府はGCAPの次段階の設計を進めるため、3か国が共同で資金を拠出する46億ポンドの契約を共同事業体Edgewingに付与したと発表した。

また、英国の国防投資計画では、GCAPに今後4年間で86億ポンドを投資する方針が示された。

7月21日には、ファンボロー航空ショーに合わせて日英伊の防衛相会合が開催され、4月と7月にGIGOとEdgewingの間で統合契約が締結されたことを歓迎した。カナダのオブザーバー参加を含む第三国との協力についても議論された。

日本の防衛省は2035年の初号機配備を目指している。英国政府も2035年からの運用開始を目標としている。

ただし、2035年は確定した完成実績ではなく、各国が掲げる開発・配備目標である。今後の契約、設計、技術統合、試験、予算配分が計画どおり進むかが重要になる。

GCAPは日本の経済にも影響するのか

GCAPの価値は防衛力の強化だけではない。航空機の開発には、エンジン、電子機器、素材、ソフトウェア、センサー、製造設備など、幅広い産業が関わる。

そのため、共同開発によって日本企業が国際的な供給網に参加し、研究開発や高度人材の育成につながる可能性がある。

一方、共同開発には技術情報の共有、知的財産、輸出管理、費用負担、開発仕様の調整という難しい課題もある。日本が掲げる開発の主導性や改修の自由度をどこまで維持できるかは、長期的な評価ポイントとなる。

【日英経済関係】CEPA・CPTPP・2025年貿易統計を検証

安全保障協力が強化される一方、日英関係の土台には経済的な結び付きがある。両国は自由貿易の枠組みを整備し、製造業、金融、医薬品、デジタル技術、エネルギーなどの分野で取引や投資を行っている。

日英包括的経済連携協定(CEPA)は何を変えたのか

日英CEPAは、正式には日英包括的経済連携協定と呼ばれる。英国のEU離脱に伴い、日EU・EPAに代わる二国間の貿易・投資の枠組みとして交渉され、2020年10月23日に署名、2021年1月1日に発効した。

この協定は日EU・EPAの内容を基本的に引き継ぎながら、一部の工業製品やデジタル分野などで、より高度なルールを導入した。

特に電子商取引、金融サービス、越境データ移転などの分野は、日英両国の企業が国境を越えて事業を展開するうえで重要な意味を持つ。

英国政府の協定概要によると、一部の工業製品や自動車関連部品などでは関税面の改善も図られている。

英国のCPTPP加盟が日本にもたらす影響

2024年12月15日、英国のCPTPP加盟議定書が日本との間で発効した。英国はCPTPPに参加した初めての欧州国家となった。

CPTPPは、環太平洋地域を中心とする包括的な経済連携協定であり、日本、オーストラリア、カナダ、シンガポール、ベトナムなどが参加している。

英国の加盟によって、日英間の貿易はCEPAだけでなく、CPTPPという多国間の枠組みも活用できるようになった。

日本企業にとって考えられる主なメリットは次のとおりだ。

  • 市場アクセスの拡大:英国市場とCPTPP参加国のネットワークを組み合わせた事業展開がしやすくなる。
  • サプライチェーンの多角化:原材料や部品の調達先を広げ、特定地域への依存を減らす選択肢が増える。
  • デジタル貿易の促進:電子商取引やデータを利用する事業で共通ルールを活用できる。
  • サービス産業の展開:金融、通信、専門サービスなどの分野で事業機会が広がる。

なお、CEPAとCPTPPは別の協定であり、CPTPP加盟によってCEPAが置き換えられるわけではない。英国政府も両協定が並行して有効であると説明している。

企業は商品ごとの関税率、原産地規則、証明手続きなどを比較し、どちらの協定を利用するか判断する必要がある。

2025年の日英貿易額はどれくらいか

外務省が2026年10月19日に更新した日英関係の基礎データによると、2025年の日本から英国への輸出額は約1.9兆円、英国から日本への輸入額は約1.3兆円だった。

日本から英国への主な輸出品は自動車、原動機、自動車部品などである。一方、英国からの主な輸入品には原動機、医薬品・医療関連製品、自動車などが含まれている。

日本側の統計から見ると、日英間の取引では自動車・機械関連の製造業が重要な位置を占めていることが分かる。

一方、英国政府の2026年4月更新の市場ガイドでは、2025年第4四半期までの4四半期における英国から日本への輸出総額を162億ポンドとしている。この数値は財とサービスを合わせた英国側の統計であり、日本側の輸出入額とは集計範囲が異なる。

また、外務省によると、日本から英国への直接投資残高は2023年時点で約20.53兆円に達している。貿易だけでは測れない企業活動の結び付きも、日英関係の重要な要素である。

2026年の経済安全保障共同宣言が示す次の段階

2026年6月14日の日英経済安全保障共同宣言では、重要鉱物、エネルギー、先端技術、投資環境、産業協力などが重点分野に位置付けられた。

特に注目されるのは、重要鉱物の供給網である。電池、半導体、電子機器、再生可能エネルギー設備などに必要な資源は、安定して確保できなければ製造業全体に影響する。

日英両国は、重要鉱物の採掘・精錬・加工・リサイクルなどの協力を進め、供給網の強靱化を目指す。

また、同日に発表された日英フロンティア技術パートナーシップは、英国の研究開発力と日本の製造技術を結び付ける取り組みである。防衛関連技術、先端産業、研究開発の連携を広げる狙いがある。

【なぜ日英関係は深まるのか】共通利益と今後の課題

日本と英国の関係が強化されている理由は、歴史的な友好だけでは説明できない。現在の国際情勢のなかで、両国が互いを必要とする構造的な理由がある。

理由1:インド太平洋と欧州の安全保障が結び付いている

日本は東アジアに位置し、英国は欧州に位置する。地理的には離れているものの、両国は海上交通路、自由貿易、国際秩序の安定という共通利益を持っている。

ウクライナ情勢やインド太平洋地域の緊張、海上交通路の安全、サイバー攻撃など、現代の安全保障問題は地域ごとに完全に切り離せない。

2023年の広島アコードと2026年の首脳会談で確認されたのも、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障を一体的に考えるという認識だった。

理由2:英国のEU離脱後、アジアとの経済関係が重要になった

英国のEU離脱は、日英経済関係にも影響を与えた。EU市場との制度的な結び付きが変化するなかで、英国はアジア太平洋地域との貿易・投資関係を強化する必要があった。

日本にとっても、英国は欧州の金融、研究開発、先端産業との接点となる重要な市場である。

日英CEPAとCPTPPという2つの貿易協定が存在することは、こうした相互利益を制度面から支える。

理由3:先端技術と防衛産業で補完関係がある

日本は精密製造、電子機器、素材、産業技術などに強みを持つ。英国は航空・防衛産業、金融、研究開発、ソフトウェアなどに強みを持っている。

GCAPは、こうした技術的な補完関係を生かす代表的な事業だ。日英だけでなくイタリアも参加することで、各国の技術力と産業基盤を組み合わせている。

さらに、半導体、サイバーセキュリティー、重要鉱物、エネルギーなどの分野でも、協力するメリットが大きい。

今後の日英関係で注目すべき5つの課題

2026年以降、日英関係を評価する際には、次の5つのポイントが重要になる。

  1. GCAPの開発進捗:2035年の配備目標に向け、設計、予算、試験、各国の産業分担が予定どおり進むか。
  2. RAAの実効性:共同訓練や相互訪問が継続的に実施され、実際の協力能力が高まるか。
  3. 重要鉱物の安定供給:採掘からリサイクルまで、実際の共同プロジェクトが生まれるか。
  4. CEPAとCPTPPの活用:協定上の優遇措置が企業の輸出、投資、雇用の拡大につながるか。
  5. 政権交代後の政策継続:日英双方の政治的な変化を超えて、首脳・閣僚間の対話と実務協力が維持されるか。

特に最後の点は見逃せない。2026年には英国の首相が交代し、1月・6月のスターマー首相との協議に続いて、8月にはバーナム首相との電話会談が行われた。首脳が変わっても、GCAPや経済安全保障の協力が継続するかどうかは、日英関係の制度的な強さを測る材料となる。

【プロの結論】日英関係は外交声明から実行力を問われる段階へ

日英関係の本質的な変化は、友好国という政治的な位置付けから、互いの安全保障と経済基盤を支える実務的な協力関係へ進んだことにある。

1858年の日英修好通商条約は外交関係の始まりだった。1902年の日英同盟は安全保障上の利害が一致した時代を象徴する。そして2023年の広島アコードと2026年の経済安全保障共同宣言は、現代の国際環境に対応した新しい協力モデルを示している。

ただし、首脳会談の回数や共同宣言の数だけで関係の深さを判断することはできない。GCAPの開発成果、共同訓練の継続、貿易・投資の拡大、重要物資の供給網整備といった具体的な実績が重要になる。

日英関係の本当の強さは、両国が共通の課題に直面したとき、制度と産業の両面で協力を実行できるかどうかにかかっている。

【日本とイギリスの関係】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:日本とイギリスの外交関係はいつ始まりましたか?
A1:1858年8月26日の日英修好通商条約の調印によって始まりました。正式な外交関係の成立年は1858年です。

Q2:日英同盟はいつ成立し、いつ終わりましたか?
A2:1902年1月30日に第一次日英同盟が成立し、ワシントン会議後の1923年に失効しました。日露戦争や第一次世界大戦期の日本外交に大きな影響を与えました。

Q3:日英RAAとは何ですか?
A3:自衛隊と英国軍が相手国で共同訓練や協力活動を行う際の手続きや法的地位を定めた協定です。2023年1月に署名され、同年10月15日に発効しました。自動的な相互防衛義務を定める条約ではありません。

Q4:GCAPとは何ですか?
A4:日本、イギリス、イタリアの3か国が進める次世代戦闘機の共同開発計画です。2035年の初号機配備を目標としており、2026年も設計・開発体制の整備が進んでいます。

Q5:2025年の日英貿易額はいくらですか?
A5:外務省の2026年10月更新データでは、日本から英国への輸出が約1.9兆円、英国から日本への輸入が約1.3兆円です。主な品目には自動車、原動機、自動車部品、医薬品などがあります。

Q6:英国のCPTPP加盟は日本にどのようなメリットがありますか?
A6:英国市場へのアクセス拡大、供給網の多角化、デジタル貿易の促進などが期待できます。日英CEPAも引き続き有効であり、企業は品目ごとに適切な協定を選択できます。

Q7:2026年現在、日本とイギリスは軍事同盟国ですか?
A7:両国は緊密な安全保障パートナーですが、日英RAAは相互防衛義務を定める軍事同盟条約ではありません。共同訓練、防衛装備品の共同開発、サイバー協力などを通じて安全保障上の連携を強化しています。

まとめ:日本とイギリスの関係は今後どうなる?

日本とイギリスの関係は、1858年の外交関係樹立から、日英同盟の成立と終焉、戦後の関係再構築を経て、2026年には安全保障・経済・先端技術を横断する戦略的パートナーシップへと発展した。

現在の重要な柱は、日英広島アコード、RAA、GCAP、日英CEPA、CPTPP、経済安全保障共同宣言、戦略的サイバー・パートナーシップである。

特に2026年は、首脳会談だけでなく、GCAPの大型契約や重要鉱物・エネルギー分野の協力など、具体的な実行段階へ進んだ年として位置付けられる。

今後の焦点は、こうした合意が実際の防衛力、技術開発、企業活動、安定した供給網にどこまで結び付くかだ。日本と英国は地理的に離れていても、自由で開かれた国際秩序を維持するという共通の利益を持っている。

日英関係の今後を見極めるには、外交上の友好ムードだけでなく、協定の実施状況、開発計画の進捗、貿易・投資の実績を継続して確認することが大切である。

主な公的資料・検証資料: 日本国外務省、首相官邸、防衛省、英国政府、英国統計局、国立国会図書館、WTOの公表資料。

(出典: 日本 イギリス 関係(Yahoo!ニュース))